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VXLANとは?仕組み・VLANとの違い・VTEPとVNIをわかりやすく解説

2026 11/07
資格コラム
2020年10月9日2026年11月7日

VXLAN(Virtual eXtensible LAN)は、IPネットワークの上に仮想的なレイヤー2ネットワークを作る技術です。データセンターやクラウド基盤で広く使われており、CCNP ENCOR(350-401)でも「仮想化」分野の出題範囲に含まれています。

この記事では、VXLANの仕組みとVLANとの違いを、試験対策で押さえるべきポイントに絞って解説します。

先に結論から

  • VXLANは、レイヤー2のフレームをUDPパケットに包んでIPネットワーク越しに運ぶ「L2 over L3」の技術です。
  • セグメントの識別子はVNI(24ビット)で、約1,600万個のネットワークを作れます。VLAN(12ビット・約4,000個)の上限を超えられるのが大きな特長です。
  • カプセル化と非カプセル化を行う装置をVTEPと呼びます。カプセル化には宛先UDPポート4789が使われます。
  • カプセル化で約50バイトのヘッダーが加わるため、アンダーレイ側のMTUに余裕を持たせる設計が必要です。
目次

VXLANとは

VXLANは、イーサネットフレーム(レイヤー2)をそのままUDP/IPパケットの中に入れて運ぶトンネル技術です。物理的には離れた場所にある機器同士を、あたかも同じレイヤー2ネットワーク(同じセグメント)につながっているかのように通信させられます。

このとき、実際にパケットを運ぶIPネットワークをアンダーレイ、その上に作られる仮想的なレイヤー2ネットワークをオーバーレイと呼びます。VXLANは代表的なオーバーレイ技術の1つです。

VXLANが必要とされる理由

VXLANでカプセル化されたパケットの構造

1. VLANの数の上限を超えられる

VLAN IDは12ビットのため、使えるVLANは最大で約4,000個です。多くの利用者(テナント)を収容するデータセンターやクラウドでは、この数では足りなくなります。VXLANの識別子であるVNIは24ビットあり、約1,600万個のセグメントを作れます。

2. レイヤー3のネットワークを越えてレイヤー2を延ばせる

仮想マシンを別のサーバーへ移動しても、IPアドレスを変えずに通信を続けたい場面があります。VXLANを使えば、ルーティングされたIPネットワークの上に同じレイヤー2セグメントを延ばせるため、こうした要件に対応できます。

3. スパニングツリーに頼らない設計ができる

アンダーレイはIPネットワークなので、OSPFやBGPといったルーティングプロトコルで複数の経路を同時に使えます(ECMP)。レイヤー2を大きく広げたときに問題になりやすい、スパニングツリーによる経路のブロックやループのリスクを避けやすくなります。

VXLANの仕組み

VXLANの仕組み:VTEP同士がアンダーレイ(IPネットワーク)の上にオーバーレイ(VXLANトンネル)を作り、同じVNIの端末をつなぐ

VTEP:カプセル化を行う装置

VTEP(VXLAN Tunnel End Point)は、VXLANトンネルの出入口となる装置です。送信側のVTEPは、端末から受け取ったイーサネットフレームにVXLANヘッダーとUDP・IPヘッダーを付けて(カプセル化して)アンダーレイへ送り出します。受信側のVTEPはそのヘッダーを外し(非カプセル化し)、元のフレームを宛先の端末へ届けます。VTEPには、物理スイッチがなる場合と、サーバー上の仮想スイッチがなる場合があります。

VNI:セグメントを識別する番号

VNI(VXLAN Network Identifier)は、どの仮想ネットワークのフレームかを識別する24ビットの番号です。VLANにおけるVLAN IDに相当します。同じVNIに属する端末同士は、同じレイヤー2セグメントにいるものとして通信できます。

カプセル化されたパケットの構造

VXLANでカプセル化されたパケットは、外側から次の順に並びます。

ヘッダー大きさ役割
外側のイーサネットヘッダー14バイトアンダーレイでの次の機器までの転送
外側のIPヘッダー20バイト(IPv4)送信元・宛先VTEPのIPアドレス
外側のUDPヘッダー8バイト宛先ポートは4789
VXLANヘッダー8バイトVNIを格納
元のイーサネットフレーム—端末が送ったフレームそのもの
外側のヘッダーを合計すると約50バイト(IPv4、VLANタグなしの場合)になります。

このヘッダーの分だけパケットが大きくなるため、アンダーレイのMTUを標準の1,500バイトのままにしておくと、端末側のフレームが分割されたり破棄されたりする原因になります。アンダーレイのMTUを大きめ(ジャンボフレームなど)に設定するのが一般的です。

宛先VTEPの見つけ方

VTEPは「宛先のMACアドレスがどのVTEPの先にいるか」を知る必要があります。その方法は大きく2つです。

  • フラッド&ラーン:宛先が分からないフレームをマルチキャストなどで関係するVTEPすべてに送り、返ってきた通信から対応関係を学習する方式です。設定はシンプルですが、規模が大きくなると無駄な通信が増えます。
  • BGP EVPN:MP-BGPを使って、MACアドレスやIPアドレスとVTEPの対応をVTEP同士で事前に交換する方式です。大規模なデータセンターでは、こちらが主流です。

VXLANとVLANの違い

項目VLANVXLAN
識別子VLAN ID(12ビット)VNI(24ビット)
作れる数約4,000約1,600万
届く範囲レイヤー2のネットワーク内IPで到達できる範囲ならどこでも
転送の仕組みフレームにタグを付けて転送フレームをUDP/IPでカプセル化して転送
経路の冗長化スパニングツリーに依存しやすいアンダーレイのルーティング(ECMP)を利用できる

ENCORの試験対策で押さえるポイント

ENCORでは、VXLANは「仮想化」分野(比重10%)で、VRF、GRE・IPsecトンネル、LISPなどと並んで出題範囲に含まれています。細かい設定コマンドよりも、次のような「仕組みを説明できるか」を問う内容が中心です。

  • VXLANがレイヤー2をレイヤー3越しに運ぶ技術であること(L2 over L3)
  • VTEP・VNIの役割と、VNIが24ビットであること
  • カプセル化にUDP(宛先ポート4789)が使われること
  • アンダーレイとオーバーレイの違い
  • SD-AccessなどCiscoのソリューションでも、データの転送にVXLANが使われていること

ENCOR全体の学習の進め方は、CCNP ENCORの勉強方法の記事で紹介しています。

よくある質問

VXLANはVLANの代わりになるのですか?

置き換えというより、組み合わせて使う技術です。端末やサーバーが接続する部分では引き続きVLANが使われ、VTEPがVLANとVNIを対応づけて、IPネットワーク越しにレイヤー2を延ばします。

VXLANで使われるUDPのポート番号は何番ですか?

標準の宛先ポートは4789番です(RFC 7348)。

VNIはいくつまで作れますか?

VNIは24ビットなので、理論上は約1,600万個(2の24乗)のセグメントを作れます。

ENCORの出題範囲に沿った問題演習には、Smart InnovationのCCNP ENCOR対策問題集もご活用ください。

公式ショップでENCOR対策問題集を見る
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この記事を書いた人

Smart Innovation編集部のアバター Smart Innovation編集部 IT資格対策Web問題集 編集部

IT資格対策Web問題集(CCNA・CCNP・AWS認定)を企画・制作するSmart Innovation株式会社の編集部です。資格の勉強方法や試験の仕組み、ネットワーク技術の解説を、受験する方の目線でお届けしています。
記事の監修は当社代表が行っています。代表は大手ベンダーのネットワークエンジニアとして、官公庁・医療・金融・交通・大手クラウド事業者などの大規模ネットワークの設計・構築に携わり、これまでに200名以上のCCNA合格者、20名以上のCCNP合格者の学習を支援してきました。保有資格:ネットワークスペシャリスト、CCNP Enterprise、CCNP Routing and Switching、AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト。

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