回線が混み合うと、音声通話が途切れたり、業務システムが遅くなったりします。QoS(Quality of Service)は、通信に優先度を付けて、大事な通信から先に届ける仕組みです。CCNP ENCORのアーキテクチャ分野で出題されます。
先に結論から
- QoSは「分類・マーキング」「キューイング」「ポリシング・シェーピング」などの組み合わせで動きます。
- IPパケットの優先度はDSCP(6ビット)、イーサネットのフレームの優先度はCoS(3ビット)で表します。
- 音声にはDSCPのEF(値は46)を付け、LLQで最優先に送るのが一般的です。
- ポリシングは超えた分を捨て、シェーピングは超えた分をためて後から送ります。
QoSの全体像

- 分類(クラシフィケーション):通信の種類を見分けます(音声、業務システム、そのほか など)。
- マーキング:見分けた通信に、優先度の印(DSCPやCoS)を付けます。
- キューイング:混雑したときに、印に応じて送る順番を決めます。
- ポリシング・シェーピング:決めた速度を超えないように制御します。
マーキングは、ネットワークの入口に近い場所で行います。信頼できる機器から来た印だけをそのまま使う境目を「トラストバウンダリー」と呼びます。
DSCPとCoS
| DSCP | CoS | |
|---|---|---|
| 付ける場所 | IPヘッダー(ToSフィールド) | 802.1Qタグ |
| ビット数 | 6ビット(0〜63) | 3ビット(0〜7) |
| 届く範囲 | ルーターを越えても残る | VLANタグが付いている区間だけ |
主なDSCPの値
| 名前 | 値 | 主な用途 |
|---|---|---|
| EF | 46 | 音声 |
| AF41 | 34 | ビデオ会議 |
| AF31 | 26 | 重要な業務アプリ |
| CS3 | 24 | 通話の制御(シグナリング) |
| BE(デフォルト) | 0 | そのほかの通信 |
キューイングの方式
| 方式 | 特徴 |
|---|---|
| CBWFQ | クラスごとに、最低限使える帯域を保証する |
| LLQ | CBWFQに、最優先で送るキュー(プライオリティキュー)を加えたもの。音声に使う |
LLQの最優先キューは、ほかのキューより必ず先に送られます。その代わり、使いすぎてほかの通信を止めないよう、上限の帯域が決められます。
ポリシングとシェーピングの違い

| ポリシング | シェーピング | |
|---|---|---|
| 超えた分の扱い | 捨てる(または印を付け直す) | ためておき、後から送る |
| 遅延 | 増えない | 増える(ためる分) |
| 主な使い方 | 受け取る側で上限を守らせる | 送る側で契約した速度に合わせる |
MQCの設定例
シスコの機器では、MQC(Modular QoS CLI)の3つのステップで設定します。
class-map match-all VOICE
match dscp ef
!
policy-map WAN-OUT
class VOICE
priority percent 30
class class-default
fair-queue
!
interface GigabitEthernet0/1
service-policy output WAN-OUT
class-mapで、対象の通信(DSCPがEF)を決めます。policy-mapで、そのクラスに最優先キュー(帯域の30%まで)を割り当てます。service-policyで、インターフェースの出力方向に適用します。
ENCOR全体の勉強の進め方は、ENCORの勉強法でまとめています。
よくある質問
DSCPのEFの値はいくつですか?
46です。主に音声の通信に使います。
ポリシングとシェーピングの違いは何ですか?
ポリシングは決めた速度を超えた分を捨て、シェーピングは超えた分をためて後から送ります。
LLQとCBWFQの違いは何ですか?
LLQは、CBWFQに最優先で送るキューを加えた方式です。音声のように遅れに弱い通信に使います。
