EIGRPでは、経路がなくなると、ルーターが周りのルーターに「代わりの経路を知らないか」と問い合わせ(クエリ)を送ります。ネットワークが大きいと、このクエリが遠くまで広がり、返事が返ってこない状態(SIA:Stuck in Active)になることがあります。これを防ぐのがEIGRPスタブです。CCNP ENARSIでよく問われるテーマです。
先に結論から
- EIGRPスタブを設定したルーターには、ほかのルーターからクエリが送られなくなります。
- 拠点(支店)のルーターをスタブにすると、クエリの範囲が狭まり、SIAを防げます。
- オプションを付けないと、直接つながっている経路(connected)と集約した経路(summary)だけを広告します。
- スタブの設定は、スタブにするルーター側だけに入れます。
EIGRPスタブが必要な理由

本社と多数の拠点をつなぐ構成で、本社側の経路が1つ消えたとします。スタブがない場合、本社のルーターはすべての拠点にクエリを送り、すべての返事を待ちます。拠点の数が多いほど返事がそろうまでに時間がかかり、SIAになる危険が高まります。
拠点のルーターはほかのネットワークへの通り道にならないので、そもそも問い合わせる必要がありません。拠点をスタブにしておけば、本社は拠点にクエリを送らずに済みます。
設定方法
router eigrp 100
network 192.168.10.0
network 10.0.0.0
eigrp stub
名前付きモード(named mode)の場合は、次のように設定します。
router eigrp BRANCH
address-family ipv4 unicast autonomous-system 100
eigrp stub connected summary
オプションの違い
| オプション | 広告する経路 |
|---|---|
| connected | 直接つながっているネットワーク |
| summary | 集約した経路 |
| static | スタティックルート(再配送したもの) |
| redistributed | 再配送した経路 |
| receive-only | 何も広告しない(受け取るだけ) |
| オプションなし | connected+summary |
receive-onlyは、ほかのオプションと組み合わせられません。拠点のネットワークを本社に知らせる必要がある場合は、receive-onlyを使うと拠点に通信が届かなくなるので注意が必要です。
確認に使うコマンド

show ip protocols:自分がスタブになっているか、どのオプションかを確認するshow ip eigrp neighbors detail:ネイバーがスタブかどうかを確認する(Stub Peer Advertising と表示される)
ENARSIで問われやすいポイント
- スタブを設定するのは拠点側のルーターだけです。本社側に設定は要りません。
- スタブにしたルーターは、ほかのネイバーから学んだ経路を広告しません。拠点同士の通り道にはならないので、拠点が2台の構成で片方をスタブにすると、経路が届かなくなる場合があります(leak-mapで個別に広告できます)。
- SIAの対策としては、スタブのほかに経路の集約もよく使われます。
EIGRPとOSPFの違いは、EIGRPとOSPFの違いで解説しています。
よくある質問
EIGRPスタブはどのルーターに設定しますか?
拠点(支店)側のルーターに設定します。本社側のルーターには設定は不要です。
オプションを付けずにeigrp stubと設定すると、何が広告されますか?
直接つながっているネットワーク(connected)と、集約した経路(summary)が広告されます。
SIAとは何ですか?
Stuck in Activeの略で、クエリへの返事が返ってこないまま経路の再計算が終わらない状態です。
