ネットワークエンジニアは、配属後すぐに現場で戦力になるのが難しい職種です。基礎知識が身についていないまま現場に出ると、指示の意味が分からず、教える側の負担も大きくなります。一方で、計画的に育成すれば、半年から1年ほどで基本的な設定や運用を任せられるようになります。
この記事では、新人・若手のネットワークエンジニアを社内で育成するときの進め方と、資格を目標にした学習の取り入れ方を、教育担当者や現場の責任者の方向けに整理します。
先に結論から
- 育成は「基礎知識 → 手を動かす練習 → 現場での実践」の順に、段階を分けて進めるのが基本です。
- 基礎知識の目標としてCCNAを置くと、学ぶ範囲が明確になり、到達度も客観的に確認できます。
- 実機や仮想環境で設定を試す時間を確保すると、現場に出たときの立ち上がりが早くなります。
- 教材は社員ごとに用意し、月に1回程度は進み具合を確認すると、途中で止まるのを防げます。
ネットワークエンジニア育成の3つの段階
| 段階 | 目的 | 主な内容 | 目安の期間 |
|---|---|---|---|
| 1. 基礎知識 | ネットワークの仕組みを理解する | OSI参照モデル、IPアドレスとサブネット、スイッチとルーターの役割、VLAN、ルーティングの基本 | 1〜3か月 |
| 2. 手を動かす練習 | 設定と確認ができるようになる | 実機や仮想環境での設定、showコマンドでの確認、簡単なトラブル対応 | 1〜3か月 |
| 3. 現場での実践 | 実際の業務を担当する | 先輩と一緒に構築・運用を担当し、徐々に任せる範囲を広げる | 3か月〜 |

段階1:基礎知識はCCNAを目標にする
基礎知識の段階では、CCNA(200-301)の出題範囲を学習の目安にすると、学ぶべき範囲がはっきりします。CCNAはネットワークの基礎、ルーティング、スイッチング、IPサービス、セキュリティの基礎、自動化まで幅広く扱っており、現場で最初に必要になる知識をひととおり押さえられます。
資格という目標があることで、本人も学習のゴールを持ちやすくなり、合格という形で到達度を客観的に確認できる点もメリットです。
段階2:手を動かす練習の時間を確保する
知識を身につけても、実際に設定したことがなければ現場では手が止まってしまいます。研修用の実機や、Packet Tracer・CML・EVE-NGなどの仮想環境を使い、次のような練習を取り入れると効果的です。
- VLANを作り、ポートを割り当てて通信を確かめる
- スタティックルートやOSPFを設定し、ルーティングテーブルを読む
- わざと設定を間違え、showコマンドで原因を探す
- 設定の保存とバックアップ、作業手順書に沿った作業を練習する

段階3:現場での実践は段階的に任せる
現場では、最初は先輩の作業を見ながら手順を覚え、次に先輩の確認のもとで作業し、最後に一人で担当する、という順に任せる範囲を広げていきます。基礎知識と練習の段階を経ていれば、現場で教える内容を「その会社やお客様固有のルール」に絞れるため、教える側の負担も小さくなります。
育成をうまく進めるためのポイント
- 目標と期限を決める:「入社半年でCCNA取得」のように、具体的な目標を示します。
- 学習時間を確保する:業務時間内の学習を一部認めると、学習が続きやすくなります。
- 進み具合を定期的に確認する:月に1回程度、学習した範囲や問題演習の結果を共有してもらいます。
- 次の目標を用意する:CCNA取得後は、担当業務に応じてCCNPやクラウドの資格を次の目標にします。
学習教材としてWeb問題集を活用する
Smart Innovationでは、CCNA・CCNP・AWS認定の対策問題集をWeb形式で提供しています。解説付きで、パソコンでもスマートフォンでも学習できるため、業務と並行して学ぶ社員のすき間時間の学習に向いています。利用者お一人につき1アカウントでのご提供です。
法人でのご購入の流れは法人でのご利用のページをご覧ください。資格取得支援の制度づくりについては、社員のCCNA・CCNP取得を会社で支援する方法でも解説しています。
よくある質問
新人ネットワークエンジニアの育成にはどれくらいの期間がかかりますか?
本人の経験や業務内容によりますが、基礎知識と手を動かす練習に合わせて3〜6か月、その後の現場での実践を含めて半年〜1年程度で、基本的な設定や運用を任せられるようになるのが一つの目安です。
未経験の新人にもCCNAを目標にさせるべきですか?
おすすめです。CCNAの出題範囲は現場で最初に必要になる知識をひととおり含んでいるため、学ぶ範囲の目安として使いやすく、合格によって到達度も確認できます。
実機がない場合はどうすればよいですか?
Packet Tracer、CML、EVE-NGなどの仮想環境で、多くの設定練習ができます。まずは仮想環境で練習し、必要に応じて実機に触れる機会を作るとよいでしょう。
CCNAの次はどの資格を目標にすればよいですか?
担当業務によって異なります。社内ネットワークの設計・構築ならCCNP Enterprise、セキュリティならCCNP Security、クラウドならAWS認定などが候補になります。
