CCNP SCOR(350-701)は、CCNP Securityを取得するために必ず合格が必要なコア試験です。ファイアウォールやVPNといったネットワークセキュリティだけでなく、クラウド、エンドポイント、ゼロトラストまで出題範囲が広く、何から手をつければよいか迷いやすい試験でもあります。
この記事では、SCORの試験概要と出題分野の比重を整理したうえで、合格までの勉強方法を手順に沿って解説します。
先に結論から
- SCORの勉強は「出題範囲の確認 → 仕組みの理解 → 製品ごとの役割の整理 → 問題演習」の順に進めます。
- 比重が最も大きいのは「ネットワークセキュリティ」(25%)、次が「セキュリティの概念」(20%)です。この2分野で全体の45%を占めます。
- SCORはCiscoのセキュリティ製品の名前と役割を問う問題が多いため、「どの製品が、どこで、何を守るか」を表にまとめると覚えやすくなります。
- 問題演習では、正解の理由に加えて、他の選択肢がなぜ当てはまらないのかまで説明できるようにします。
CCNP SCOR(350-701)とはどんな試験か
SCOR(Implementing and Operating Cisco Security Core Technologies)は、企業のセキュリティを支える技術と、Ciscoのセキュリティ製品の使い方を幅広く問う試験です。合格すると「Cisco Certified Specialist – Security Core」に認定され、CCNP Securityのコア試験の要件も満たします。
| 試験番号 | 350-701 SCOR |
|---|---|
| 試験時間 | 120分 |
| 受験言語 | 英語・日本語 |
| 受験料 | 62,480円(税込)(2026年11月時点。改定されることがあるため申込時にご確認ください) |
| 位置づけ | CCNP Securityのコア試験 |

出題分野と比重
| 分野 | 比重 | 主な内容 |
|---|---|---|
| セキュリティの概念 | 20% | 脅威と攻撃の種類、脆弱性(CVE・CVSS)、暗号(PKI・TLS・IPsec)、ゼロトラスト |
| ネットワークセキュリティ | 25% | ファイアウォールとIPS、AAA(TACACS+・RADIUS)、管理通信の保護、サイト間VPN・リモートアクセスVPN |
| クラウドセキュリティ | 15% | 責任共有モデル、クラウドの利用形態、CASB、DevSecOps |
| Secure Service Edge | 10% | SSE・SASE、インターネットや社内アプリへの安全なアクセス、DLP |
| エンドポイントの保護と検知 | 15% | EPP・EDR、MDM、ポスチャ評価、エンドポイント向け製品 |
| ネットワークアクセスと可視化 | 15% | ISEによる802.1X・MAB、CoA、プロファイリング、SIEM・SOAR・XDR |
SCORの勉強方法:合格までの4ステップ
ステップ1:出題範囲を読み、分からない言葉を洗い出す
最初に公式の試験トピックを読み、知っている用語と知らない用語に分けます。SCORはSSE、SASE、CASB、XDRのように略語が非常に多い試験です。最初の段階で「知らない略語の一覧」を作っておくと、学習の進み具合を確認しやすくなります。
ステップ2:セキュリティの仕組みを理解する
暗号、VPN、認証(AAA)、ファイアウォールといった基本の仕組みを先に固めます。たとえばIPsec VPNなら、IKEのフェーズ1とフェーズ2で何が決まるのかを図に描いて説明できる状態を目指します。仕組みが分かっていれば、製品が変わっても応用がききます。
ステップ3:製品ごとの役割を表にまとめる
SCORでは、Ciscoのセキュリティ製品がどの場面で何を守るのかを問う問題が多く出ます。製品名だけを覚えるのではなく、次のような表を自分で作ると整理しやすくなります。
| 守る場所 | 代表的な仕組み・製品の役割 |
|---|---|
| ネットワークの境界 | ファイアウォール・IPSで通信を検査し、不正な通信を止める |
| ネットワークへの接続 | ISEで利用者や端末を認証し、接続してよいかを判断する |
| インターネットの利用 | SSEのしくみで、Webやクラウドサービスへのアクセスを安全にする |
| パソコンやスマホ | EDRなどで端末上の不審な動きを検知し、対処する |
| 全体の監視 | SIEM・XDRでログやアラートを集め、攻撃を見つけて対応する |
ステップ4:問題演習で弱点をつぶす
理解がひととおり進んだら、問題演習に移ります。SCORは選択肢に似た名前の製品や機能が並ぶことが多いため、1問ごとに次の点を確認してください。
- なぜその選択肢が正解なのかを、自分の言葉で説明できるか
- 他の選択肢の製品・機能が、本来どの場面で使われるものか説明できるか
- 間違えた問題は、仕組みや製品の役割に戻って確かめたか

分野別の勉強のコツ
ネットワークセキュリティ(25%)
最も比重が大きい分野です。ファイアウォールの基本的な動作、IPSとの違い、AAAでのTACACS+とRADIUSの違い、サイト間VPNとリモートアクセスVPNの違いは確実に押さえましょう。CCNAやENCORで学んだ内容と重なる部分も多いので、既に知っている知識とつなげて理解すると効率的です。
セキュリティの概念(20%)
攻撃の種類(フィッシング、DoS、中間者攻撃など)と、それぞれへの対策をセットで覚えます。暗号では、共通鍵暗号と公開鍵暗号の使い分けや、証明書(PKI)の役割を説明できるようにしておくと得点につながります。
クラウド・SSE・エンドポイント・アクセス制御(計55%)
この4分野は、新しい考え方や製品が中心です。ゼロトラストやSASEのような考え方は、「なぜ従来の境界型の防御だけでは足りないのか」という背景から理解すると覚えやすくなります。ISEを使った802.1X認証は、認証の流れ(端末・スイッチ・認証サーバーの役割)を図にして整理しましょう。
勉強時間の目安
必要な時間は、ネットワークとセキュリティの経験によって大きく変わります。あくまで目安ですが、次のように考えて計画を立てると無理がありません。
| 状況 | 学習期間の目安 |
|---|---|
| セキュリティ製品の設計・運用を実務で担当している | 2〜3か月程度 |
| CCNAを取得済みで、セキュリティの実務経験は少ない | 4〜6か月程度 |
| ネットワークの基礎から不安がある | CCNA範囲の復習を含めて6か月以上 |
SCORの勉強でよくある失敗
- 製品名の暗記だけで終わる:名前を覚えていても、役割を説明できないと選択肢を絞れません。
- 略語をあいまいなままにする:SSE、SASE、CASBなどは意味の違いを一言で説明できるようにしておきましょう。
- 古い教材だけで学ぶ:SCORは改訂で出題範囲が大きく変わることがあります。受験前に公式の試験トピックを必ず確認してください。
問題演習にはWeb問題集も活用できます
Smart Innovationでは、SCORの出題範囲に沿ったオリジナルのCCNP SCOR対策問題集をWeb形式で提供しています。解説付きで、パソコンでもスマートフォンでも演習できるため、ステップ4の問題演習に使っていただけます。価格や収録内容などの最新情報は、公式ショップの商品ページでご確認ください。
よくある質問
SCORは独学で合格できますか?
独学で合格する方もいます。仕組みの理解、製品ごとの役割の整理、問題演習の3つをそろえ、出題範囲を一通り学んでから弱点をつぶす流れを守れば、独学でも十分に合格を目指せます。
SCORだけでCCNP Securityを取得できますか?
いいえ。CCNP Securityを取得するには、コア試験のSCORに加えて、コンセントレーション試験に1つ合格する必要があります。SCORに合格すると、Cisco Certified Specialist – Security Coreに認定されます。
日本語で受験できますか?
はい。SCORは英語と日本語で受験できます。ただし製品名や略語は英語のまま出てくるため、英語表記で覚えておくと安心です。
CCNAを持っていなくても受験できますか?
受験資格はないため、CCNAを持っていなくても受験できます。ただしネットワークの基礎知識を前提とした問題が多いため、CCNAレベルの知識は身につけておくことをおすすめします。
あわせて読みたい:CCNP ENCORの勉強方法/CCNPの難易度
