AWS Certified Solutions Architect – Professional(SAP-C02)は、AWSの設計力を問う認定の中でも最上位にあたる試験です。SAA(アソシエイト)の延長と考えて受けると、問題文の長さと選択肢の細かさに戸惑う人が少なくありません。
この記事では、SAPの試験概要と難易度、合格までの勉強方法を、SAAとの違いに触れながら解説します。
先に結論から
- SAPは問題数75問・試験時間180分で、1問あたり約2分半で長文を読み、最適な構成を選ぶ力が問われます。
- 出題分野は4つで、最も比重が大きいのは「新しいソリューションの設計」(29%)です。
- 勉強は「SAAレベルの総復習 → 複数アカウント・ハイブリッド構成の理解 → 移行とコスト最適化 → 長文問題の演習」の順に進めるのが効率的です。
- 問題演習では、正解の構成が「なぜ他の構成より要件に合うのか」を説明できるまで繰り返します。
AWS SAP(SAP-C02)とはどんな試験か
| 試験コード | SAP-C02 |
|---|---|
| 問題数 | 75問(うち10問は採点されない問題) |
| 試験時間 | 180分 |
| 合格点 | 750点(100〜1,000点のスケールスコア) |
| 出題形式 | 択一選択・複数選択 |
| 受験料 | 40,000円(AWS公式の金額。別途、税がかかる場合があります。料金は毎年見直されるため申込時にご確認ください) |
| 推奨される経験 | AWSを使った設計・構築の経験が2年以上 |

出題分野と比重
| 分野 | 比重 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 複雑な組織に対応するソリューションの設計 | 26% | 複数アカウントの管理、ネットワーク接続(Transit Gateway・Direct Connect)、セキュリティと権限の設計 |
| 新しいソリューションの設計 | 29% | 高可用性・耐障害性、パフォーマンス、セキュリティ、コストを満たす構成の設計 |
| 既存ソリューションの継続的な改善 | 25% | 運用の自動化、信頼性・性能・コストの改善 |
| ワークロードの移行とモダナイズ | 20% | 移行方式の選択、移行サービスの使い分け、コンテナやサーバーレスへの移行 |
SAPの難易度:SAAとの違い
SAPが難しいと言われる理由は、知識の量よりも「判断の細かさ」にあります。
- 問題文が長い:会社の状況、現在の構成、制約条件が何段落にもわたって書かれ、その中から本当に重要な要件を読み取る必要があります。
- 選択肢がどれも動きそうに見える:どの選択肢も技術的には成り立つことが多く、「最も運用負荷が少ない」「最もコストが低い」といった条件に一番合うものを選ばなければなりません。
- 組織全体を見た設計が問われる:単一のシステムではなく、複数アカウントや社内ネットワークとの接続を含めた全体設計が中心になります。
SAPの勉強方法:合格までの4ステップ
ステップ1:SAAレベルの知識を総復習する
SAPはSAAの知識を前提にしています。VPC、EC2、S3、RDS、IAMなど主要サービスの基本があやふやな場合は、まずそこを固めます。SAAに合格してから時間が空いている方は、最初の2〜3週間を復習にあてると、その後の理解が早くなります。
ステップ2:複数アカウントとハイブリッド構成を理解する
SAPで特に比重が大きいのが、AWS Organizationsを使った複数アカウントの管理と、社内ネットワークとAWSをつなぐ構成です。Transit Gateway、Direct Connect、Site-to-Site VPNの違いや、アカウントをまたいだ権限の渡し方は、図に描いて説明できるようにしておきましょう。
ステップ3:移行とコスト最適化を押さえる
既存システムをAWSへ移す方法や、移行後にコストを下げる方法もよく問われます。移行方式(そのまま移す・一部作り直す・作り直すなど)の違いと、それぞれに向く場面を整理しておくと、選択肢を絞り込みやすくなります。
ステップ4:長文問題で「要件の読み取り」を練習する
知識がそろったら、問題演習で長文から要件を読み取る練習をします。1問ごとに次の手順を意識すると、本番でも迷いにくくなります。
- 問題文から「必ず満たすべき要件」と「優先したい条件(コスト・運用負荷など)」を書き出す
- 要件を満たさない選択肢から消していく
- 残った選択肢を、優先したい条件で比べる
- 解説を読み、他の選択肢が劣る理由まで確認する

勉強時間の目安
| 状況 | 学習期間の目安 |
|---|---|
| AWSの設計・構築を実務で2年以上担当している | 2〜3か月程度 |
| SAAを取得済みで、実務経験は少ない | 4〜6か月程度 |
| SAAを取得していない | SAAの内容を含めて6か月以上 |
SAPの勉強でよくある失敗
- サービスの機能を覚えることに時間を使いすぎる:SAPで問われるのは機能の暗記より、要件に合わせた選び方です。
- 時間配分を練習しない:180分で75問を解くため、1問に時間をかけすぎると最後まで解き終わりません。本番と同じ時間で通しの演習をしておきましょう。
- 答えだけを覚える:問題の条件が少し変わると正解も変わる試験です。正解の理由を説明できるかで理解度を確認してください。
問題演習にはWeb問題集も活用できます
Smart Innovationでは、SAP-C02の出題範囲に沿ったオリジナルのAWS SAP対策問題集をWeb形式で提供しています。解説付きで、パソコンでもスマートフォンでも演習できます。価格や収録内容などの最新情報は、公式ショップの商品ページでご確認ください。
よくある質問
SAAを持っていなくてもSAPを受験できますか?
受験資格はないため、SAAを持っていなくても受験できます。ただしSAPはSAAレベルの知識を前提にした問題が多いため、先にSAAの範囲を身につけておくことをおすすめします。
SAPの合格点は何点ですか?
100〜1,000点のスケールスコアで、750点以上が合格です。分野ごとの合格基準はなく、全体の点数で合否が決まります。
試験時間は足りますか?
75問を180分で解くため、1問あたり約2分半です。問題文が長いため、時間が足りなくなる人も少なくありません。本番と同じ時間で通しの演習をしておくと安心です。
SAPの有効期限はありますか?
AWS認定の有効期間は3年間です。期限内に再認定を受けることで、認定を維持できます。
